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ヘアーズ 髪かわら版 第24号  2003年10月11日発行

人の体とアミノ酸

 私たちの体はタンパク質のアミノ酸から構成され、タンパク質は20種類のアミノ酸の組合せ
からできています。
 アミノ酸(Amino Acids)とは、その構造に、アミノ基とカルボキシル(カルボン酸)基を含む有機
物(生物に由来する炭素などを含む物質)全体の名称ですが、多くの場合はα−アミノ酸、つ
まりカルボキシル基とアミノ基が同じ炭素と結びついているものをいい、ペプチド結合によって
他のアミノ酸と結合しペプチド、ポリペプチドとなります。 

タンパク質やポリペプチドは、それぞれの構成アミノ酸によって、その構造・特性・生物学的作
用が決定されます。ある種のアミノ酸はタンパク質中には含まれませんが、それでも生体にと
っては極めて重要な役割を果たしているのです。

 ドイツの思想家フリードリッヒ・エンゲルス(1820〜1895 社会主義学者)は、『一生命とはタン
パク質の存在状態である』といっている。実際、地球上に生存する生物の基本を構成している
のがタンパク質なのです。

 わたしたちの身体は、水分が60〜70%・タンパク質などのアミノ酸が15〜20%・脂肪13〜
20%・ミネラル5〜6%・糖質が1%で構成され、人の体は、筋肉・神経・骨・歯・毛髪、そして血
液とすべてがタンパク質で作られています。こうした主要な構成部以外にも、生命維持に関す
る酵素や各種のホルモン・抗体・遺伝情報などの物質もタンパク質が主事成分となっていま
す。
タンパク質は英語でプロテイン(Protein)といい、最近ではスポーツ界などでアスリートが筋肉
を作る栄養分として有名ですが、その語源は「第一の」という意味のギリシャ語からきていま
す。
タンパク質が不足すると、爪が割れやすくなる・二枚爪になる・毛髪が傷み枝毛などができる・
肌荒れが起こる・アトピーや花粉症などのアレルギー症状を引き起こす・血液の濃度が薄くな
る・高血圧を起こすなどの症状が起こります。

 タンパク質は非常に多くの種類があり、ヒトの身体に存在するだけでも約100,000種類もある
といわれ−このタンパク質を加水分解(水と反応させる)すると20種類のアミノ酸ができます。

 私たち食べる肉・魚・穀物のタンパク質は20種類のアミノ酸に分解され、体内では常にタン
パク質の合成が繰り返されています。
食品から摂取するタンパク質には、牛肉などから得られる動物性タンパク質と、大豆などから
得られる植物性タンパク質があり、動物性タンパク質は必須アミノ酸の割合も高く、このことを
『プロテインスコアが高い』といい、脂肪も多くなります。逆に植物性タンパク質はプロテインスコ
アが低めで脂肪も少なくヘルシーといえます。食品に含まれるタンパク質の栄養価は、タンパ
ク質の量と、必須アミノ酸の量と種類、それらのバランスがどのくらい取れているかによって決
まります。

その評価は、「アミノ酸スコア」で表され、最高値は100です。アミノ酸スコアが高いほど質の良
いタンパク質で、体内で効率良く利用されます。卵や肉の赤身は、アミノ酸スコア100です。アミ
ノ酸スコアを食品の組み合わせで見ると、ご飯は、アミノ酸スコアが64・タンパク質量は6.8gで
す。ご飯に納豆を加えると、アミノ酸スコアは85、タンパク質量も15.1gと上がります。
そして、ご飯に焼き魚、お浸し、豆腐のみそ汁にすると、アミノ酸スコアは100、タンパク質量は
30.8gとなります。それだけで、もう一日に必要とするタンパク質60〜70gのほぼ半分が取れたこ
とになります。

 植物性タンパク質には必須アミノ酸のうち、トリプトファン・リジン・、メチオニンという3種類が
不足しています。牛乳にもトリプトファンが含まれています。うどんやそばだけの昼食に卵を一
加え、牛乳1本飲むことで、欠乏しやすい必須アミノ酸の不足を補えます。 必須アミノ酸は私
達の体内では作り出すことが出来ないため、食事から摂取する必要があるものです。
安藤眞夫

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